お散歩しよう!

まずはじめに

お散歩のまえに、必ずお手入れを済ませておいてください。蹄の裏に小石など詰まったままお散歩すると、ケガのもとになります。また、これからお散歩なんだな、と馬にこころの準備をさせてあげる意味でも大切です。

基本のポジションをおぼえる

お散歩に使う道具は、無口(ホルター)と引き手(リード)のふたつだけです。

まず、馬の左側に立ちましょう。項(うなじ)の横あたり、馬の鼻先が少しでるくらいの位置です。

つぎに、引き手のもち方です。右手は、引き手をだらーんとさせます。ピンと張っていると馬はプレッシャーを感じます。

左手で引き手の端を束ねて持ちます。このとき注意があります!手に巻きつけるようにもつのはNGです。万が一馬が暴れたりしたとき、これだとあなたの腕が馬にもってかれてしまいます。

これで、お散歩をはじめる準備が整いました。

 

なぜ馬の左側に立つの?
これは馬界の間で、いつのまにかつくられた慣習のようなものです。誰が決めたのかわかりません。乗馬中に馬を褒めるときも、大体左側の首をなでてあげます。馬もどちらかというと、左側にヒトがいることに慣れているのではないかと思います。

お散歩のスタート!

ではさっそく、お散歩をはじめてみましょう!このときのコツはふたつ。

1.行きたい方向をしっかりと見る
2.堂々と歩く

馬に、「このヒトについていけば安心だ」と思ってもらえるのが大事です。そのためには、リーダーらしくあることがもとめられます。馬の群れのリーダーは、堂々としていて、迷いなく進路を決めますよね。お散歩するときもおなじです。

よくお散歩中、馬がついてきているか気になって、チラッチラッとうしろを振り返る方がいます。これは馬からしたら不安です。「このヒトどっちに行きたいんだろう?」と思うからです。

馬が動いてくれないときは?

(1)ボディランゲージをしっかり意識する

まずはここを見直してみます。歩き出すときに、ちょっとおおげさなくらい足を上げて腕を振って、馬に「私は歩きたい」ことを伝えます。このとき、からだの動きだけでなく、こころでも強くそう思うことが大切です。馬はヒトのこころを読みますからね。

(2)引き手を引っ張る

それでもなかなか歩いてくれない!ということもあると思います。そのときは、引き手を引っ張りましょう。引っ張るときのポイントは、ずーっと強く引っ張りつづけない・一回の引きを短くして、メリハリをつけて断続的に引くというところです。

(3)鞭でたたく

もしそれでもダメなら!いよいよ最終手段。左手に鞭をもち、馬の肩あたりをたたきましょう。引き手のあまった部分でたたくやり方もあります。

このとき注意したいのは、最初からたたくことをしない、ということです。はじめは必ずボディランゲージから、ダメなら引き手を引っ張る、それでもダメなときにはじめてたたきます。要は、弱い刺激からはじめ、ダメなとき強い刺激へ移行します。

これは、「フェーズ」の管理といって、あらゆる調教の場面でも登場する考え方です。もしいきなり鞭でたたいたりしたら、馬の信用を失ってしまいます。

パーソナルスペースを守る

ちょっとだけ中級者向けの内容かと思います。パーソナルスペースとは、「不可侵領域」とでもいえばいいのでしょうか。

例えばヒトの場合、これ以上他人に近づかれたら不快感を覚える、という距離ありませんか?これは相手との関係性によって変わり、ごく親しいヒトなら至近距離までOKでも、知らないヒトなら一定の距離を保たないと嫌だと思います。

実は、馬もパーソナルスペースをもっています。

例えば、リーダーのパーソナルスペースに不用意に入ると、その馬はこっぴどく叱られます。なぜなら、パーソナルスペースへの侵入を許すということは、アナタの方が上です、と認めていることにほかならないからです。

引き馬するときは、ヒトがリーダーになります。

リーダーのパーソナルスペースは死守しなければなりません。パーソナルスペースの範囲は好きに決めていいのですが、引き馬するときは、概ね半径30cmくらいでしょうか。「ちょっと近すぎるな」と圧迫感をおぼえたら、そこがアナタのパーソナルスペースの境界線です。

もし馬が、例え鼻先だけであっても、このパーソナルスペースに勝手に入ってきたら、鼻先を叩いて叱り、パーソナルスペースから追い出す必要があります。

侵入を許しつづけると、次第に馬はヒトのことをなめるようになり、扱いづらくなってしまいます。叱るのはかわいそう!という気持ちもよくわかるのですが、ここばかりはこころを鬼にしてがんばってほしいなと思います。

逆に、パーソナルスペースから離れすぎるのもよくない

引き馬していて、勝手に馬が離れていってしまうのも、実はよくありません。リーダーはパーソナルスペースを守るだけでなく、メンバーの進路と速度をコントロールするのが役目だからです。

つまり、常に同じ場所に馬がいるようにするのが理想ということですね!近すぎず、離れすぎず、前にですぎず、後ろにさがりすぎず、常に一定の距離を保って引き馬できるとベストです。

馬が離れそうなら引き手を内側に引っ張る、前に出そうなら後ろに引っ張る、後ろにさがりそうなら前に引っ張る、という具合にです。最初はうまくできなくても、意識さえしつづけていればそのうちできるようになると思います!

そんな気を張らず、のんびり気ままにお散歩したい・・・という方へ

パーソナルスペースだの馬との位置関係だの・・・そんなことばっかり考えてたら、気を張って疲れる!もっとのんびりお散歩を楽しみたい!という方も多いのではないでしょうか。私もそうです。笑

そういうときは、メリハリ、オンオフが大事です。

要は、「いまこの時間は、好きに動いていいですよ」と馬を自由にさせる時間を、明確にヒトが決めればいいのです。

例えば、お散歩していて、美味しそうな青草が道端に生えている。
このとき、アナタがOKを出して、馬を自由に道草させてあげるのです。アナタが道草してほしくないと思っているのに道草されるのは、一番してはいけないことです。

馬の好きなようにさせる時間と、ちゃんとヒトのいうことを聞いてもらう時間とを使い分ければ、馬との関係もこじれずにお散歩を楽しめると思いますよ。


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